『Berry』創作日記❶~トワイライト

やっと連載を開始できました。

おそらくたくさんの人には読んで貰えないと覚悟していますが、それでも感想をいただいたり、アクセス数を見る感じだと読んでくれている人もいるみたいなので、黙々と更新していくつもりです。

というわけで、ここではひっそりと、『Berry』の創作日記を書こうと思います。

まずはその1回目ということで、序章である「トワイライト」の物語について。


ラズとブルーの出会いの場面ですが、ここは私が初めて『Berry』という物語を書いたときから、あまり変わってはいません。

ただ、最初の時はラズとブルーが出会い、人間とオオカミというお互いの目線で見たおとぎ話を語り合って交流を深めるという物語でした。

ラズは居場所を追われ、当てもなく彷徨う孤独な少女で、ブルーはそんな彼女に惹かれるものを感じた一匹オオカミ。そんなイメージでした。


その後、もっとちゃんとした作品にしようと思って何度も書き直したのですが、出会い方の下地は変わっていません。

ただ、何度も書くうちにラズとブルーの経歴などはどんどん変わっていきました。

まず、ブルーの性別は男性に固定化。ラズは孤独な旅人ではなく、兄を探しているベリー売りという商人に。

ベリーというものが出てきたのも、後の事でした。イメージとしてはグミみたいなものと考えています。


さて、ここからは直接的な下地でもある旧版の『Berry』との違いを書いていきます。


まず、一番の違いは舞台です。

旧版ではタイトルページの森でしたが、今回はトワイライトの森に変更。タイトルページの方が表紙って感じがしますが、トワイライトで始まり、トワイライトで終わる形にしたくなり、こうなりました。


次に、ブルーの種族名が追加。

マヒンガという名前でしたが、執筆中はマヒガンだったりもしました。アメリカ先住民であるモヒカン族の本来の語源「マヒカン」がモデルで、「狼」を意味します。

しかし、今も存在する民族の名前をそのまま使うのはよくないのではないかと書いているうちに思い始め、単語とにらめっこしながら微妙に変化させました。

つまり、造語です。


ラズの父親であるローガンの死因もはっきりとさせました。

ここは旧版では後に詳しく語るつもりだったのですが、今回のバージョンではボリュームを半分以下にしているので、最初から語ることにしました。


ドラゴンハートのくだりは、今回から新しく追加したものです。

あと、ここでちゃんと書いていたかちょっと忘れてしまったのですが、旧版と今回のバージョンとでラズたちの辿る方向が、反時計回りから時計回りに変更されています。

といっても、トワイライトからタイトルページへは南東へと下っているのですが、その後はぐるりと時計回りに進んでいく形になります。


アーノルドの存在も早々と名前だけ出していました。

旧版の時も後々登場させるつもりだったのですが、ローガンの件と同じくボリュームの関係で早くから出すことにしました。

人間の世界から離れた場所で生まれ育ったブルーがある程度人間のことを知っているのは、彼のお喋りが原因です。


人間とケモノの定義もはっきりさせることを意識してみました。

ただこれはあくまでも、このドラゴンメイドという国の人々が考えている定義です。

二足歩行で髪があり、言葉を喋り、服を着て道具を使う。

それが人間だということを前提に社会が作られているなかに、そこから外れるけれど言葉を喋ることが出来るブルーのような種族が、どんな思いをすることになるのか、出来るだけ想像しながら書いてみました。


以上が、トワイライトの時点での創作日記でした。

他にも語っていないことがある気がしますが、今回はここまでにしておきます。