『CALLAIS』創作日記~カッライスの性格

『CALLAIS』(小説家になろうの作品ページに飛びます)


お久しぶりです。ふと思い出したので、またこっそり創作日記を書いておきます。

今日書いておくのは、昨年から連載を続けている『CALLAIS』という百合作品の主人公カッライスについて。

カッライスは物心ついた頃から美しい吸血鬼に囲われていたという特殊な生い立ちの女性です。

いつか自分が殺されるなんて知らず、立派なお屋敷で蝶よ花よと育てられていたのですが、だいたい反抗期に差し掛かるくらいの年齢で、人間の狩人集団に保護されました。

そこから自分が何のために養われていたのかを知り、読み書き計算や狩人の修行を積むわけですが、あまりに特殊な生い立ちなので性格が歪みそうなものですよね。

たしかに姉弟子であるアンバーと競い合うなど、妙な負けん気はしっかりあるのですが、その一方で人を信じたり、慈悲を見せるという優しさもちゃんと持っています。

その優しさの源はなんであるかと言うと、新しく彼女を引き取った師匠であるペリドットや、姉妹のように育つ事となるアンバーの存在が大きいでしょう。

しかし、根本的な部分を言えば、物心ついた頃から保護されるまでのルージュの接し方も実は大きいのかも……と作者の私は考えながら書いていたりします。

というのも、ルージュの動機はたしかに恐ろしいものなのですし、教育を受けさせない、無知のまま育てると言った優しい虐待と呼ぶべき仕打ちはしているのですが、幼い頃のカッライスに対して、怒鳴ったり、追い詰めたり、苦しめたりするようなことは、一切していないんです。

だからこそ、カッライスはルージュの事を心から信用していましたし、彼女のものとからいきなり引き離したペリドット達のことを当初は恨んですらいました。

そんなに愛しているのに、どうしていつかは殺してしまうつもりなのかといえば、それはもう魔物の価値観としか言いようがないのでしょうね。

大切に、大切に獲物を育て、来るべき時に屠ることで、自分もまた痛みを感じる。そこにある種の癖があるのかもしれません。

さておき、ここで書いたことは、カッライスが、いざという時に残酷になれない理由として、常に頭に入れております。

ルージュの接し方は、真の愛ではなかったかもしれないけれど、幼少期のカッライスの人格形成にはプラスの影響となったって感じです。

何が言いたいかというと、幼い頃に大人から受ける愛って大事ってお話。