第17回 塩を食べるようになった経緯『〈塩女〉が食べ物を拒まれる‐コチティ族』

今回は食に関するお話でした。

塩といえば、料理に欠かせないという人も多いでしょうね。健康上はほんのちょっとで良いそうなのですが、気を抜くとついつい摂りすぎてしまうという人もいそう。

それだけ、人々は塩を求めてきたわけですが、アメリカ先住民にとっても同じだったようです。

その内容は、現代の人が読むとなかなかシュールかもしれません。ただ、神話らしいといえば神話らしい。


内容は、二人の孫をつれた〈塩女〉という老女が、自分たちに食べ物をわけてくれなかった人々の子どもたちをマツカケスに変えてしまい、もてなしてくれた人々には老女の身体の一部を与えたというもの。

この老女の身体の一部というのが塩で、それから人々は塩の味を知り、塩の在りかやとるまでの儀式を教えてもらったというお話でした。


作中ではサント・ドミンゴを出発してソルトレイクへって書かれていたかな。

世界地図に疎いがゆえ、ふーんって思いながら地図をググってビックリしました。

え、めちゃくちゃ遠くないかそれ……!


ともかく、塩を手に入れるだけでも大変なことだったようです。

書籍でも書かれていましたが、塩を求める旅は大冒険であり、巡礼であり、戻ってきたあとは語り継がれていくほどのものだったようで……。

こういう話を見ると、いかに現代が恵まれているのかを感じます。

『アメリカ先住民の神話伝説』(R.アードス、A.オルティス編 松浦俊輔、西脇和子、岡崎晴美ほか訳 1997 青土社)