2020.01.30 15:00第10回 神聖な踊りに関する不思議~『偉大なるメディスン・ダンス‐シャイアン族』今回はアメリカ先住民たちの継承してきたダンスにまつわるお話でした。思えばダンスというものは、古来よりあらゆる民族や文化のなかでコミュニケーションや儀式の手段として発展しているのがちょっと不思議ですよね。言葉や文字と同じく、踊りもまた人々の生活にとって重要な存在であり続けたと考えると、日本でも行われるあらゆるお祭りや伝統的な踊りにも、親しみ...
2020.01.29 15:00第9回 儀式の起源を説明するお話~『矢の少年‐シャイアン族』今回もシャイアン族のお話です。前回の注釈によれば、シャイアン族は語り継がれたお話に続く形で別の話をしていたようで、このお話の導入も、トウモロコシを授かった後…と続きます。ただ、内容自体はさほど前回と繋がっているような印象はありませんでした。このお話の主人公は、またしても不思議な力を持つ少年です。生まれもやっぱり特殊で、母親の胎内に4年間も...
2020.01.28 15:00第8回 生活スタイルの変化を感じる話~『泉の老女‐シャイアン族』トウモロコシやバッファローがアメリカ先住民にとってどれだけ重要だったかは、これまで読んできた話でも伝わってきましたが、この話もまたトウモロコシの存在やバッファロー狩りにまつわる話でした。解説も合わせると、シャイアン族の生活スタイルの変化や変動がそれとなく伝わってきて、なかなか面白かったです。解説によれば、シャイアン族は他部族との争いに負け...
2020.01.27 15:00第7回 創造神も赤ちゃんにはお手上げ~『グルスキャップと赤ん坊‐アルゴンキン族』今回は何だか微笑ましい話でした。学生の頃は子どもの成長や心身の発達について学んでいたのですが、子育てというのは本当に理想だけでは片付かないものがあり、どんな理屈を前にしても子どもには敵わないのだなと深く感じたことがありました。お陰で子無しであっても親子連れや駄々っ子に手を焼く親御さんなどに寛容な気持ちになれたものですが、このお話もまたそん...
2020.01.26 15:00第6回 人々の記憶が残されているかもしれないお話~『力をもつ少年‐セネカ族』前回は不思議な産まれ方をした少年が主人公の話でしたが、今回もまた不思議な力を持って誕生した少年が主役のお話です。翻訳の関係なのかは分かりませんが、やたら血の気の多い少年が父親に行ってはいけないと言われる場所に行っては、戦利品を持ち帰り続けるという内容でした。力を持つ少年はとても小さいらしく、日本で言う一寸法師みたいな姿を想像しながら読んで...
2020.01.25 15:00第5回 世界の昔話を彷彿とさせるちょっと残酷さもある話~『石の少年‐ブルーレ・スー族』今回のお話は石を飲んだ少女が身ごもって産んだ少年が活躍するお話。世界各地の昔話にあるような人食いの老婆が出てきたりして、アメリカ先住民らしさもありながら、どことなく小さい頃に怖がったおとぎの世界の残酷さがあって非常に興味深かったです。出典はこちら。お話の導入は、5人の男兄弟と一緒に暮らしていた少女が、狩りに出たまま一人また一人と行方不明に...
2020.01.24 15:00第4回 生物の歴史を彷彿とさせる不思議な話~『動物人間の創造-オカノガン族』今回も前回に続いて全ての母にまつわる話のようです。ただ、ここで新しくコヨーテが登場しました。アメリカ先住民の神話伝説で頻繁に登場するトリックスターでもありますね。日本昔話にとってのキツネやタヌキみたいな存在だったと思われます。神聖視されているあたり、キツネが近いかな。前回は創造者にクロスクルベーという名前がついていましたが、今回の創造主ら...
2020.01.23 15:00第3回 自己犠牲と愛を尊ぶ精神~『玉蜀黍の母-ペノブスコット族』世界の始まりを語る話という点では前回、前々回と一緒ですが、こちらは全ての母親にスポットを当てたお話でした。前回はアメリカ先住民の人々にとってバッファローがどれだけ大事な存在だったのかが窺えましたが、こちらは玉蜀黍(トウモロコシ)の有難みについて語られています。物語のはじめに創造者クロスクルベーという存在が語られています。のちの伯父と呼ばれ...
2020.01.22 15:00第2回 バッファローという最大のギフト~『血の塊‐南ウート族』前回に続き、血の塊から超人的な男の子が誕生するというお話。しかし、ここで重視されているのはウサギではなくバッファローです。それだけ、南ウート族の人々にとって、バッファローが重要な存在だったことがうかがえます。その内容は、バッファローの足跡の先にあった血の塊から生まれた青年が、超人的な狩りの腕で両親や村の人間たちの助けとなるものの、青年の妻...
2020.01.21 16:38第1回 悪役はいつも己の策略に溺れる~『兎少年‐ホワイト・リバー・スー族』思い付きなので最後まで出来るかどうかは分かりませんが、青土社から出版されている『アメリカ先住民の神話伝説』という書籍を創作のために読み進めているので、その1話ごとの感想や要点をこちらにメモしておこうと思います。
2020.01.01 01:15【資料集】創作のために読んだ本などここにまとめるのは、主に創作のために触れた資料の紹介や感想です。評価はまちまちですが、いずれも主観によるものなので、タメになるかどうかは実際に読んで判断してくださいネ。